【CICEプレスリリース】東ティモール教育省大臣視察
福沢天仁
(広島大学大学院人間社会科学研究科)
東ティモール民主共和国教育省大臣が東広島市の小学校を視察しました。(5月11日)
5月9日から15日にかけて、東ティモール民主共和国のDulce De Jesus Soares教育省大臣が東広島市内で学校視察を行いました。5月11日には龍王小学校を訪問し、授業見学をはじめ、給食の配膳や清掃活動などの様子を視察しました。
訪問ではまず、大臣は校長先生や教職員の方々から学校経営や教育方針について説明を受け、東ティモールの学校との比較を交えながら、PTA費用や学校給食の仕組みなどについて活発な意見交換が行われました。また、児童たちからは龍王小学校の特色や学校生活についてのプレゼンテーションがあり大臣は熱心に耳を傾けられ、時折拍手を送りながら、日本語で「上手、上手!」声をかけていました。
子どもたちとの交流の場面では、児童たちから千羽鶴が贈られ、大臣からは東ティモールのお土産が手渡されました。児童たちは、これまであまり馴染みのなかった東ティモールという国にすごく興味を持っており、大臣を囲みながら次々と質問を投げかけ、楽しそうに交流する姿が印象的でした。
大臣と児童たちの交流の中で、ある女子児童が大臣の身につけていたイヤリングについて「とても素敵ですね」と声をかけると、大臣は「これは東ティモールの伝統的なものです」と説明され、その場で自らイヤリングを外し児童にプレゼントしました。突然の出来事に児童たちは驚きながらもとても喜んでおり、とても心温まる場面となりました。
今回の訪問は、児童たちにとって東ティモールという国や異なる文化について知る貴重な機会となり、世界に目を向けるきっかけにもなっていると感じています。学校現場での直接的な交流を通して、国際理解を深める素晴らしい機会となりました。

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東ティモール民主共和国のDulce De Jesus Soares教育省大臣は、5月12日に広島県立西条農業高等学校を訪問しました。(5月12日分)
校長先生から学校概要や教育の特色について説明を受けた後、大臣は授業視察を行いました。「農業と環境」という授業を視察した際には、生徒たちが校内の畑で実習を行う様子を見て、「ぜひ私も一緒に体験したい」と話し、生徒たちとともにトマトの苗植えを体験していました。
生徒たちは大臣に植え方を説明しながら交流し、東ティモールの挨拶である「Bondia(ボンディア)!」と声をかけ、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿も多く見られました。大臣もそれに優しく応じられており、高校生と大臣の間には、農業を通じた国際交流が生まれていました。
また、大臣は西条農業高校の実践的な学習環境や設備にも強い関心を示され、「このような環境は、専門的なスキルを身につける上でとても重要である」と述べられました。さらに、「将来的には我が国の学生にも西条農業高校で学んでほしい」と語られ、校長先生も歓迎の意向を示されていました。
今回の訪問は、東広島市と東ティモールとの農業・教育分野における新しいつながりを築く貴重な機会となりました。生徒たちにとっても、農業を通して異文化交流ができた有意義な時間となったと思います。

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東ティモール民主共和国教育省大臣が志和小・中学校を訪問しました。(5月15日)
東ティモール民主共和国のDulce De Jesus Soares教育省大臣は、5月15日には東広島市立志和小・中学校を訪問しました。今回の訪問は、約1週間にわたる東広島市内での学校視察の最終日となりました。志和小・中学校は、小学校と中学校が1つになった学校であり、大臣は小学校と中学校のそれぞれの授業を視察されました。
学校視察後には、自ら手をあげた7名の生徒が大臣のもとを訪れ、大臣に直接質問をしながら交流を行いました。また、生徒たちは学校紹介動画を自分たちで制作しており、その映像を大臣一行に披露しました。大臣は、生徒たちの発表や学校紹介動画を楽しまれ、特に動画の完成度の高さに驚き、称賛の言葉を送っていました。
東広島市内での学校視察を終えた後、大臣は約1週間の訪問全体を振り返り、「日本の学校現場を実際に見ることができ、大変有意義でした」と述べられました。特に、学校給食の配膳や清掃活動に注目し「東ティモールの教育現場にも日本の方法を取り入れたい」と語られ、早速来週の国会で議題として取り上げたいとの考えを示されました。
また、今後は東広島市と東ティモールとの学校交流も進めていきたいと話され、オンライン交流を第一歩として、将来的には留学や研修など、より深い教育交流につなげていきたいという展望も共有されました。
今回の訪問は東広島市と東ティモールの新たな教育交流の第一歩となる訪問になったと思います。大臣には日本の教育について理解を深めていただくとともに、その実践を東ティモールで行う可能性についても検討していただく機会となりました。さらに、視察を受け入れていただいた学校側からも、「大臣との対話を通して、自分たちの学校を新たな視点から見つめ直す機会になった」という声が聞かれました。
今回築かれたつながりが、一度きりの交流で終わるのではなく、オンライン交流から留学・研修へと発展し、今後も継続的な交流や協力へとつながっていけるようサポートしていきたいと思います。
